蒸留酒は太りにくいって本当?お酒のアルコール度数とカロリーの関係について
若い頃は気にせずグビグビ飲めていたお酒も、歳を重ねると気になってくるのが「カロリー」。
「酒太り」や「ビール腹」といったネガティブな言葉を耳にする機会も増えてきます。とはいえ、お酒と一口に言ってもビール、焼酎、日本酒、ワイン、ウィスキーなど色々。
その中でも、たびたび耳にするのが「蒸留酒は太りにくい」という話。本当なのでしょうか?そこで今回は醸造酒と蒸留酒の違い、アルコール度数とカロリーの関係について書いていこうと思います。
醸造酒と蒸留酒の違い
一般的にほとんどのお酒は「醸造酒」と「蒸留酒」に分けられます。
醸造酒というのは原料(穀物など)を酵母によってアルコール発酵させたものを指します。一般的にはビール、日本酒、ワインなどが醸造酒にカテゴライズされます。
そして、蒸留酒は「醸造酒を蒸留して作ったお酒」のことを言います。醸造酒をさらにアルコール度数の高いお酒にするために蒸留したものを「蒸留酒」と言い、ウィスキーやブランデー、ウォッカ、焼酎や泡盛などが蒸留酒に当ります。
(画像は余市蒸留所の単式蒸留器)
蒸留方法については複雑なのでここでは割愛しますが、画像のような蒸留器(単式蒸留器あるいは連続式蒸留器)を用いてエタノールを濃縮していきます。蒸留を繰り返すことでアルコール度数の高いお酒を造ることが可能になります。
ちなみに世界一アルコール度数が高いお酒として有名なスピリタスは、実に70回以上もの蒸留を繰り返して作られています。アルコール度数95~96℃は蒸留によって作り出せるアルコール度数としては最高度数だと言われています。
火気への引火はもちろんのこと、消毒用として使ってもよし、飲めばたちまちあの世n…とにかく注意が必要なお酒です。
醸造酒と蒸留酒のカロリーの違い
では次に、両者のカロリーを見ていきましょう。
ビール(5%)・・・約40kcal
ワイン(12%)・・・約77kcal
日本酒(15%)・・・約104kcal
焼 酎(25%)・・・約140kcal
泡 盛(30%)・・・約210kcal
ウィスキー(40%)・・・約237kcal
ブランデー(40%)・・・約237kcal
ともにアルコール度数の低い順に並べています。これを見ると醸造酒より蒸留酒の方が圧倒的にカロリーが高いことが分かります。
しかしアルコール度数を考えると、一概にそうとも言えません。特に蒸留酒は基本的には割って飲むことが多く、実際に口に入る量としてはアルコール度数の低いビールやワインといった醸造酒の方が多くなりがちです。
仮に酔うまで飲んだ場合、ビールを何本も飲むよりウィスキーを数杯ストレートでひっかけた方が早く酔い、結果的には摂取カロリーが低く済むということもあるでしょう。
とはいえ、蒸留酒のカロリーが高いことには変わりないので、カロリーが低いと思ってガバガバ飲んでいる方は注意が必要です。
蒸留酒が太りにくいって本当?
結論から言うと、(一応)本当です。
蒸留酒は醸造酒に多く含まれる「糖質」が蒸留の過程で削られるため、糖質をほとんど含んでいません。最近、よく見かける「糖質50%OFF」等を謳っている健康志向の発泡酒などよりも全然低いのです。
「ダイエットで糖質制限してるけど、たまにはお酒を飲みたい」という人には間違いなく蒸留酒のほうが太りにくいと言えるでしょう。
とはいえ、どんなお酒も一長一短。
ワインにはポリフェノールが含まれていて健康に良いと言いますし、日本酒にはアミノ酸がワインの10倍以上含まれているなど。調べてみると、どんなお酒でも何かしらの良い情報が出てくるものです。
いずれにしても酒は酒、あまり良い情報ばかりを過信せず飲み過ぎないことが一番大事ということなのでしょうね。