ウィスキーの種類、「世界の5大ウィスキー」とは?
一般的にウィスキーの定義は以下の3つだと言われています。
①蒸留酒であること
②穀物を原料とすること
③樽で熟成されること
その条件のもと、これまでの長い歴史のなかで世界各地で数えきれないほどの銘柄が誕生してきました。
しかし数多あるウィスキーのなかでも、まず初めに知っておくべき知識としては「世界の5大ウィスキー」ではないでしょうか。
ジャパニーズウィスキー
スコッチウィスキー
アイリッシュウィスキー
アメリカンウィスキー
カナディアンウィスキー
これらが「世界の5大ウィスキー」と呼ばれるものです。では、それぞれの特徴を大まかに見ていきましょう。
ジャパニーズウィスキー
文字通り日本のウィスキーです。
日本のウィスキーは、ニッカウィスキーの創業者「竹鶴政孝」氏がスコットランドへ留学した際に学んだウィスキー造りの技術をもとに、現在のサントリーの前身である「寿屋」からはじまりました。
そのため、製法もスコッチウィスキーとほぼ一緒だと言われています。
しかし日本人の好みに合わせて、ピート(香りづけの材料)の使用を控えめにしているため、スモーキー感を抑え目に造られているのがジャパニーズウィスキーの特徴となっています。
また、ジャパニーズウィスキーは日本の良質な水を使用していることから、“繊細”という評価を海外から受けており、近年ではサントリーの「山崎」、ニッカの「竹鶴」が権威ある賞を受賞するなど世界でも高く評価されています。
スコッチウィスキー
ウィスキー作りの中心地であるイギリス北部のスコットランドで造られているウィスキーです。こちらは数多くの蒸留所があることで有名。
そのため多種多様な風味をもち、なかでも「ハイランド」、「ローランド」、「アイラ島」、「キャンベルタウン」が4大生産地とされています。
そんなスコッチウィスキーの特徴といえば、強いピート香。
大麦やピートの生産地として知られているスコットランドのウィスキーは強いスモーキーフレーバーを放つものが多いと言われていますが、日本ウィスキーの原点でもあるため比較的日本人の舌に合うウィスキーだと言われています。
スコッチウィスキーと言えば、有名な「マッカラン」という銘柄を耳にしたことがある方も多いのではないでしょうか。他にも「バランタイン」、「ジョニーウォーカー」などの銘柄はお店でもよく目にすることと思います。
アイリッシュウィスキー
イギリス領の北アイルランド、及びアイルランド共和国で造られているのがアイリッシュウィスキーです。その歴史は古く、ウィスキー発祥の地のひとつとも言われています。
しかしながらアメリカの禁酒法時代から第二次世界大戦にかけて市場が縮小してしまい、現在では5つの蒸留所しか残っていません。
そんなアイリッシュウィスキーの特徴は芳醇な香りと滑らかな味わい。やや控えめのピート香で、初心者にも飲みやすいウィスキーだと言われています。
世界最古と言われている「ブッシュミルズ蒸留所」で造られている銘柄「ブッシュミルズ」はアイリッシュウィスキーを代表する銘柄。その他にも3回蒸留を行う「ピュアポットスチルウィスキー」といった伝統の製法で作られた独特のウィスキーがあります。
アメリカンウィスキー
名前の通りアメリカ合衆国で造られているウィスキーです。アメリカンウィスキーよりも、「バーボンウィスキー」や「テネシーウィスキー」といった方が聞き馴染があるという方も多いかもしれません。
トウモロコシ、大麦、小麦、ライ麦といった穀物を原料としており、配合量・割合などによって細かく分類されています。
その特徴は、内側を焦がした新樽で熟成されることによって出るほろ苦さ、香ばしさ、甘い香り、など個性の強いウィスキーだと言われています。
「ジムビーム」や「ワイルドターキー」といった銘柄は日本でも非常に有名なので、アメリカンウィスキーから飲んだという人も多いのではないでしょうか。
カナディアンウィスキー
ライ麦とトウモロコシを主原料としたカナダで造られているウィスキーです。アメリカの禁酒法時代にアメリカへ大量に密輸されたことから発展したと言われています。
そんなカナディアンウィスキーの特徴は、ライ麦の個性的な香りと口当たりの軽さ。クセがないためカクテルのベースとして使われることの多いウィスキーです。
以上が「世界の5大ウィスキー」の大まかな特徴になります。製法・原料などによる細分的な分類もありますが、まずは大まかな違いと特徴を認識しておけば良いと思います。違いを意識して飲む事で新しい発見があるかもしれません。
一方、初めてウィスキーを飲まれる方、あるいはアルコール度数の高いお酒に慣れていない方などは最初は刺激が強すぎて味の違いが分からないかもしれません。しかし慣れてくればウィスキーを美味しいと感じられる日がきっと訪れると思いますので、ぜひ一度試してみてはいかかでしょうか。