お酒の雑記memo

お酒に関する雑学などを学びながらご紹介していく雑記ブログ

なぜ市販の氷は溶けにくいのか?ウィスキーに使うにはどっちが良いの?

皆さんはお酒を飲む時、冷蔵庫で作った氷と市販の氷どちらを使われているでしょう?

 

スーパーやコンビニで当たり前のように売られている「氷」ですが、なかには「わざわざ買わなくても冷蔵庫で作れるから一度も買ったことが無い」という方も少なくないのではないでしょうか。

 

では一体、市販の氷と家庭用冷蔵庫で作った氷では何が違うのでしょうか。実際に比較してみようと思います。

 

 

市販の氷は溶けにくいのか?

 

よく言われるのが、「市販の氷は溶けにくい」というものです。そこで今回は、一般的な家庭用冷蔵庫で作った氷と市販の氷を同じグラスに同量入れ、溶ける量にどの程度の差が出るのか比較してみました。

 

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左のグラスには水道水を使って「冷蔵庫で作った氷」を、右のグラスにはスーパーで買ってきた「市販の氷」が入っています。

 

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(グラスの重量を除き)氷の量はどちらも40g。これを1時間ほど放置してみました。

 

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1時間後、ご覧のようになりました。

 

左側が「冷蔵庫の氷」で、右側が「市販の氷」です。一見、右側の「市販の氷」の方が少なくなっているようにも見えますが、よく見ると透明で見えにくくなっているだけだということが分かります。

 

では溶けた分の水を捨て、グラスに残った氷の量を測ってみましょう。

 

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まずは冷蔵庫の氷から。グラスに残った氷の残量は「22g」でした。

 

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次に市販の氷、グラスに残った氷の残量は「25g」でした。よって3gの差が出るという結果になりました。

 

個人的には「思っていたよりも差が出たな」という気がしないでもありませんが、この範囲であれば多少の誤差を考慮したとしても、やはり市販の氷の方が溶けにくいと考えていいのではないでしょうか。

 

では、「なぜ市販の氷が溶けにくいのか?」という話になりますが、一般的には以下のような理由だと言われています。

 

 

不純物が少ない

一般家庭に流れている水道水をそのまま使った場合、その水には「不純物」が含まれています。この場合の不純物というのは「水が汚れている」という意味ではなく、空気などの様々な成分のことを指しています。

 

自宅で作った氷が白くなるのも、この不純物によるものだと言われています。これによって熱が伝わりやすくなり、溶けやすい氷になってしまうようです。

 

ゆっくりと時間をかけて凍らせている

製氷会社の作る氷は、-10℃ほどの温度でゆっくりと凍らせていきます。時間をかけて凍らせることで、水に含まれている不純物を空気中に放出させる、といったことを行っているようです

 

結晶が大きい

小久保製氷冷蔵株式会社さんが分かりやすい説明をされていたので、一部引用させて頂きます。

 氷は「表面」から以外に、わずかながら「結晶と結晶の隙間(隣り合う場所)」からも溶け始めます。その際、結晶が大きいほうが隙間が少なく溶けにくくなります。

 もう少し分かりやすく説明すると、例えば1粒25gの大きな飴玉2個よりも、1粒5gの小さな飴玉10個のほうが、同じ50gでも口の中で早くなくなります。同じ重さでもすべての表面積は、大きな飴玉2個よりも小さな飴玉10個のほうが大きくなります。これは氷の結晶が大きいからなのです。

 

以上のことからも市販の氷は溶けにくいよう作られている、ということが分かると思います。

 

では、「ウィスキーなど、お酒に使うにはどちらが良いのか?」ということですが、これはもう“人による”としか言えないのではないでしょうか。

 

見た目、匂い、溶けやすさ、味などに抵抗を感じるという方は市販の氷を使われるのが良いと思いますし、自宅の氷にまったく抵抗を感じ無いという方は自宅の氷で結構だと思います。

 

ですが、水道水をカルキ臭いと感じる方はやはり多いと思いますので、ウィスキーのような香りを楽しむ飲み物に対して、市販の氷を使うことは十分「効果的」だと言えるでしょう。